
蛍光板:放射線を見る魔法の板
- 蛍光板目に見えない世界を光で映し出す魔法の板
蛍光板とは、目に見えない放射線を、私たちにも見える光に変換する、まるで魔法の板のようなものです。
病院でレントゲン撮影をした際に渡される、白黒の写真を見たことがあるでしょうか?あの写真には、骨が白く、はっきりと写し出されていますよね。
実は、あの写真には蛍光板が使われています。
蛍光板は、X線などの放射線を浴びると、そのエネルギーを吸収し、代わりに光を発する物質(蛍光物質)を塗布した板のことです。
この蛍光物質は、放射線の量が多いほど強い光を放つ性質があります。
レントゲン撮影では、体の部位にX線を照射し、体の部位を透過したX線を蛍光板に当てます。
すると、骨のようにX線を透過しにくい部分は、蛍光板に当たるX線の量が少なくなり、暗い影として映し出されます。
逆に、筋肉のようにX線を透過しやすい部分は、蛍光板に当たるX線の量が多くなり、明るく映し出されます。
このように、蛍光板は、目に見えない放射線の量を光の強さに変換することで、私たちが認識できる形にする役割を果たしているのです。
蛍光板は、医療現場でのレントゲン撮影だけでなく、放射線を利用した様々な研究や、工場での製品検査など、幅広い分野で活用されています。
目に見えない世界を光で可視化する蛍光板は、現代社会において欠かせない技術と言えるでしょう。