放射性核種: 原子力発電の基礎
物質を構成する最小単位である原子は、中心にある原子核と、その周囲を回る電子からできています。原子核はさらに陽子と中性子という小さな粒子で構成されており、原子の種類を決めるのは原子核の中にある陽子の数です。これを原子番号と呼びます。例えば、水素の原子番号は1、炭素は6となり、それぞれの原子核には1個、6個の陽子が含まれています。
一方で、同じ種類の原子でも、原子核内の中性子の数が異なる場合があります。陽子の数が同じで中性子の数が異なる原子は、互いに同位体と呼ばれます。例えば、水素には、中性子を持たないもの、1つ持つもの、2つ持つものがあります。
原子核を構成する陽子と中性子の数は、質量数と呼ばれます。質量数は、原子核の質量をほぼ表しています。原子番号と質量数を組み合わせることで、特定の原子核の種類を明確に表すことができます。これを核種と言います。例えば、陽子の数が6個、中性子の数が6個の炭素の核種は、炭素12と表記されます。