商用炉

原子力施設

発電の要、商用炉:エネルギー源としての原子力

原子力発電は、ウランなどの核燃料が持つ莫大なエネルギーを、熱エネルギーに変換し、電気エネルギーに変える技術です。この原子力発電において、中心的な役割を担うのが、商用炉と呼ばれる原子炉です。商用炉とは、その名の通り商業目的、具体的には発電を目的として運転される原子炉のことを指します。原子炉の開発の歴史を紐解くと、発電を目的とした原子炉の開発が圧倒的に進んでおり、現在では「商用炉=発電用原子炉」と認識されていると言っても過言ではありません。 発電用の商用炉は、大きく分けて軽水炉と重水炉の2つの種類に分類されます。軽水炉は、私たちが日常的に目にしたり、使用したりする水と同じ、軽水と呼ばれる水を冷却材および減速材として利用する原子炉です。一方、重水炉は、軽水よりも中性子を減速させる効果の高い、重水と呼ばれる水を冷却材および減速材として利用する原子炉です。 世界的に見ると、現在稼働している原子力発電所のほとんどは軽水炉を採用しています。これは、軽水炉が重水炉に比べて、建設費が安く、運転実績が豊富であることなどが理由として挙げられます。しかし、重水炉は、ウラン資源の利用効率が高く、核燃料サイクルの観点から優れているという利点も持ち合わせています。