回収ウラン

核燃料

再濃縮:資源活用で未来のエネルギーを創造

原子力発電所では、ウラン燃料を原子炉で使用した後でも、貴重な資源として再利用できる成分が残っています。この使用済み燃料には、まだエネルギーを生み出すことができるウランやプルトニウムが含まれており、これらを再び燃料として利用する技術が「再処理」です。 再処理では、使用済み燃料を化学的に処理し、ウランとプルトニウムを分離・回収します。回収されたウランは、濃縮処理を経て再び原子炉の燃料として利用されます。一方、プルトニウムは、ウランと混合して「プルサーマル燃料」と呼ばれる新型の燃料として利用されます。 このように、使用済み燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを再利用することは、天然ウランの使用量を抑制し、資源の有効活用に大きく貢献します。さらに、最終的に発生する高レベル放射性廃棄物の量を減らすことができ、環境負荷低減の観点からも重要な技術と言えるでしょう。 日本はエネルギー資源の乏しい国であるため、エネルギー安全保障の観点からも、使用済み燃料の再処理技術の確立は重要な課題となっています。
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貴重な資源:回収ウランの活用

原子力発電所では、燃料としてウランが使われています。発電に使用された後でも、燃料の中にはまだエネルギーとして利用できるウランが残っています。この使用済みの燃料から再びウランを取り出し、燃料として再利用しようという取り組みが進められています。 使用済みの燃料からウランを取り出すには、再処理と呼ばれる技術が必要です。再処理とは、使用済みの燃料を化学的に処理し、ウランとプルトニウムを分離・抽出する工程のことです。このようにして分離されたウランは、回収ウランと呼ばれます。 回収ウランは、新しい燃料の原料として再利用されます。ウラン資源の有効活用や、使用済み燃料の減容化に貢献できる技術として期待されています。
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減損ウラン:原子力発電の副産物

- 減損ウランとはウランと聞いて、原子力発電や原子爆弾を思い浮かべる人は多いでしょう。ウランは放射線を出す重い金属で、地球上に広く存在しています。しかし、ウランと一口に言っても、実はその中には、性質の異なる様々な種類が存在します。原子力発電に利用されるウランと、身の回りにあるウランでは、その種類が異なっているのです。天然に存在するウランには、主にウラン238とウラン235と呼ばれる種類があります。このうち、核分裂を起こしやすい性質を持つウラン235は、原子力発電の燃料として利用されます。しかし、天然に存在するウランのうち、ウラン235が占める割合は約0.7%と、ごくわずかです。そこで、原子力発電では、ウラン235の割合を高めた「濃縮ウラン」が燃料として用いられます。ウランを濃縮し、ウラン235の割合を高める過程では、必然的にウラン235の割合が減ったウラン、つまり「減損ウラン」が発生します。減損ウランは、ウラン235の割合が低いため、原子力発電の燃料としては使い物になりません。しかし、減損ウランは、高い密度を持つことから、航空機の部品や医療機器など、様々な用途に利用されています。