
資源開発の鍵、生産分与契約とは
- 生産分与契約の概要生産分与契約(PS契約)は、1960年代からインドネシアで普及し始めた、石油や天然ガスといった資源開発における契約形態の一つです。従来の契約とは異なり、生産された資源そのものを資源国と開発企業で直接分配する点が、大きな特徴として挙げられます。この契約形態では、開発企業は資源国の作業請負人としての役割を担います。つまり、資金調達から探査、開発、そして生産に至るまで、資源開発の全工程を開発企業が責任を持って行うのです。その代わりに、開発企業は生産された資源から開発費用を回収し、残りの資源を資源国と取り決めた割合で分配します。従来の契約形態では、利益を分配するのが一般的でしたが、PS契約では利益ではなく、生産物そのものを分配するという点が大きく異なります。 この契約形態は、資源国にとっては、自ら資金や技術力を投入しなくても資源開発を進め、収益を得られるというメリットがあります。一方、開発企業にとっては、初期投資が大きくなるものの、開発が成功すれば、長期間にわたって安定的に資源を確保できるというメリットがあります。このように、PS契約は資源国と開発企業の双方にとってメリットがある契約形態として、現在では世界各国で広く採用されています。