国際プロジェクト

その他

CO2削減への挑戦:RECOPOLプロジェクト

- はじめに地球全体の気温上昇が深刻化する中、二酸化炭素(CO2)の排出量をいかに減らすかは、世界規模で取り組むべき課題となっています。その解決策として期待されている技術の一つに、CO2を地中に閉じ込めてしまう技術、CCS(Carbon Capture and Storage)があります。CCSは、工場や発電所などから排出されるCO2を回収し、地下深くの地層に貯留することで大気中への放出を防ぐ技術です。 CCSの中でも、CO2を炭素を含む地層に注入し、炭素を地中に固定化する技術を「CO2炭層固定化」と呼びます。この技術は、石炭層から天然ガスを回収する際に用いられる技術を応用したものであり、CO2の貯留と同時にエネルギー資源の回収も期待できます。 今回は、EUが中心となって進めているCO2炭層固定化プロジェクトであるRECOPOLプロジェクトについて詳しく解説します。RECOPOLプロジェクトは、ポーランド国内の炭鉱跡地を利用した大規模な実証実験であり、CO2炭層固定化技術の実用化に向けた重要な一歩となることが期待されています。
その他

エネルギーの未来を築くINPRO

世界中でエネルギーの需要が増え続ける中、原子力は再び注目されています。その理由は、天候に左右されずに安定してエネルギーを生み出すことができること、そして地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が少ないことが挙げられます。このような状況を受けて、国際原子力機関(IAEA)は、革新的原子炉および燃料サイクル国際プロジェクト(INPRO)を立ち上げました。 INPROは、従来の原子力発電が抱える課題を克服し、さらに優れた原子力システムの開発を目指しています。具体的には、事故が起こる可能性を最小限に抑え、より安全性を高めること、発電コストを削減し、経済的に有利なシステムを構築すること、そして、核兵器の開発に悪用されるリスクを低減し、核不拡散性を高めることを目標としています。INPROは、これらの目標を達成することで、世界のエネルギー問題の解決に大きく貢献することが期待されています。
原子力施設

ITER:未来のエネルギー源への挑戦

- ITERとはITER(国際熱核融合実験炉)は、核融合エネルギーが実際に利用できるエネルギー源であることを証明するために建設中の実験炉です。核融合エネルギーとは、太陽が光り輝き、熱を生み出す原理と同じ仕組みを利用したエネルギーの発生方法です。燃料には、海水から取り出すことができる重水素やリチウムなどを使い、これらの資源は地球上に豊富に存在するため、ほぼ無尽蔵といえます。さらに、発電時に二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないという大きな利点も持ち合わせています。ITERは、このような未来のエネルギー源として期待される核融合エネルギーの実現に向けて、世界各国が協力して進めている国際プロジェクトです。日本も参加しており、巨大な実験炉の建設や実験の計画、運営に携わっています。ITERでは、核融合反応を起こすために必要な超高温・高密度のプラズマを生成し、それを長時間維持することを目標としています。ITER計画は、核融合エネルギーの実用化に向けた重要な一歩となることが期待されています。成功すれば、人類は安全でクリーンなエネルギーを手に入れることができるだけでなく、地球温暖化問題の解決にも大きく貢献することができるでしょう。