地球

その他

太陽風:太陽から吹き出す粒子の流れ

地球上の生命にとって欠かせない光と熱を届けてくれる太陽ですが、その活動は光や熱の放出だけにとどまりません。太陽からは目に見えない粒子も常に宇宙空間に放出されており、地球にも影響を及ぼしています。 太陽の表面には、私たちが普段目にする光輝く球状の層である光球と、その外側を取り囲む薄い大気層である彩層が存在します。そして、彩層の外側にはさらに広大な領域が広がっており、これをコロナと呼びます。コロナは数百万キロメートルにも及ぶ広がりを持ち、太陽本体よりもはるかに高温であることが知られています。 コロナが高温である理由は、まだ完全には解明されていません。しかし、太陽内部からプラズマ波や磁場のエネルギーが絶えずコロナに供給されているためだと考えられています。コロナは、高温のため原子から電子が引き剥がされた状態であるプラズマで満たされています。このプラズマは、太陽の活動によって様々な形で宇宙空間に放出されます。その代表例が、太陽フレアやコロナ質量放出と呼ばれる現象です。これらの現象は、地球の磁場や電離層に影響を与え、通信障害やオーロラなどを引き起こすことがあります。
放射線について

宇宙から降り注ぐ高エネルギー粒子、一次宇宙線

宇宙は、無数の星や銀河が広がる広大な空間ですが、目には見えないエネルギーの粒子も飛び交っています。その粒子のことを「宇宙線」と呼びます。宇宙線は、宇宙空間を光に近い速度で移動する高エネルギーの放射線です。 その起源は、太陽フレアなど太陽活動に由来するものから、銀河系内の超新星爆発や銀河系外から飛来するものまで様々です。地球には、絶えず宇宙のあらゆる方向から宇宙線が降り注いでいます。 宇宙線は、地球の大気に突入すると、大気中の窒素や酸素などの原子核と衝突します。すると、元の宇宙線は壊れてしまい、新たに様々な種類の粒子を生み出します。最初に地球に飛び込んできた宇宙線を一次宇宙線と呼び、大気中で発生した粒子を二次宇宙線と呼びます。 私たちが普段生活する地上にも宇宙線は降り注いでいますが、地上の宇宙線量は微量であるため、人体への影響はほとんどありません。しかし、飛行機に乗る高度など、高い場所では宇宙線の量も多くなります。