地球環境問題

その他

地球サミット:UNCEDがもたらしたもの

1992年、ブラジルのリオデジャネイロにおいて、地球規模の環境問題に対処するために世界各国が一堂に会する歴史的な会議、「地球サミット」が開催されました。これは、正式には「国連環境開発会議(UNCED)」と呼ばれ、地球温暖化や環境破壊など、地球全体に影響を及ぼす深刻な問題について話し合うための国際的な会議となりました。 この会議は、地球環境問題に対する人々の意識を高め、国際社会が協力して問題解決に取り組むための体制を強化する上で、極めて重要な役割を果たしました。地球サミットでは、地球温暖化対策のための国際的な枠組みを定めた「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」や、生物多様性の保全に関する「生物多様性条約」など、重要な国際条約が採択されました。また、持続可能な開発の概念が国際的に広く共有され、環境保護と経済発展を両立させることの重要性が再認識されました。 リオデジャネイロで開催された地球サミットは、地球環境問題に対する国際社会の意識を大きく転換させる契機となりました。これは、地球環境問題が、一国だけで解決できるものではなく、国際社会全体で協力して取り組むべき共通の課題であるという認識を世界に広める上で大きく貢献しました。その後も、地球サミットの精神は、持続可能な開発目標(SDGs)など、国際社会の共通目標へと受け継がれています。
その他

地球環境と人間社会:IHDPの役割

- IHDPとはIHDPは、「地球環境変化の人間社会側面に関する国際研究計画(International Human Dimensions Programme on Global Environmental Change)」の略称です。地球環境問題が深刻化する中、1990年に発足した国際的な研究計画であるHDPを前身として、1996年にIHDPと改称され、活動の拠点をドイツのボンに移しました。IHDPは、自然科学と社会科学の連携を重視しています。地球環境問題は、気候変動や生物多様性の損失といった自然科学的な側面だけでなく、貧困や格差、紛争といった人間社会の側面も深く関係しています。IHDPは、こうした複雑な問題を総合的に理解し、解決策を探るために、自然科学と社会科学の研究者たちが協力して研究を進めています。国際社会科学評議会(ISSC)の提唱により設立されたIHDPは、国際的な学術団体によって構成され、研究活動はドイツ政府の支援を受けています。地球環境問題の解決には、国際的な協力が不可欠です。IHDPは、世界中の研究者や政策決定者と連携し、地球環境問題に関する最新の知見を提供することで、より持続可能な社会の実現に貢献しています。