
南海トラフ:巨大地震とエネルギー資源の宝庫
西南日本の太平洋側沖合には、南海トラフと呼ばれる海底の深い溝が延びています。この溝は、地球の表面を覆うプレートと呼ばれる巨大な岩盤のうち、フィリピン海プレートと呼ばれる海洋プレートが、ユーラシアプレートと呼ばれる大陸プレートの下に沈み込む場所に位置しています。
フィリピン海プレートは、年間数センチメートルという非常にゆっくりとした速度で、ユーラシアプレートの下に沈み込んでいます。このプレートの動きは、海のプレートが陸のプレートを押す力となり、歪みを生み出します。長い年月をかけて蓄積された歪みが限界に達すると、プレート境界が急激にずれ動いて、巨大な地震が発生します。これが、南海トラフ周辺地域で巨大地震が繰り返し発生するメカニズムです。
南海トラフにおける巨大地震は、過去においても繰り返し発生しており、歴史記録にも残されています。過去の地震の発生時期や規模を調べることで、将来発生する地震の予測や防災対策に役立てることができます。