地震

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南海トラフ:巨大地震とエネルギー資源の宝庫

西南日本の太平洋側沖合には、南海トラフと呼ばれる海底の深い溝が延びています。この溝は、地球の表面を覆うプレートと呼ばれる巨大な岩盤のうち、フィリピン海プレートと呼ばれる海洋プレートが、ユーラシアプレートと呼ばれる大陸プレートの下に沈み込む場所に位置しています。 フィリピン海プレートは、年間数センチメートルという非常にゆっくりとした速度で、ユーラシアプレートの下に沈み込んでいます。このプレートの動きは、海のプレートが陸のプレートを押す力となり、歪みを生み出します。長い年月をかけて蓄積された歪みが限界に達すると、プレート境界が急激にずれ動いて、巨大な地震が発生します。これが、南海トラフ周辺地域で巨大地震が繰り返し発生するメカニズムです。 南海トラフにおける巨大地震は、過去においても繰り返し発生しており、歴史記録にも残されています。過去の地震の発生時期や規模を調べることで、将来発生する地震の予測や防災対策に役立てることができます。
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地震の揺れの指標「ガル」

- ガルとは地震が発生すると、地面は激しく揺れ動きます。この揺れの強さを表す尺度の一つに「ガル」があります。ガルは、加速度の単位であり、1ガルは1秒間に1センチメートル毎秒毎秒(cm/s²)の加速度に相当します。これは、静止状態からスタートして1秒後に速度が毎秒1センチメートルになり、さらに1秒後には速度が毎秒2センチメートルになる、といった具合に加速していく状態を表しています。つまり、ガルの値が大きいほど、地面が短時間で急激に速度を変える激しい揺れであることを示しています。この単位の名前の由来は、イタリアの著名な物理学者であり天文学者であったガリレオ・ガリレイにちなんで名付けられました。ガリレオは、物体の運動に関する基本的な法則を発見し、物理学の基礎を築いた偉大な科学者として知られています。彼の功績を称え、加速度の単位に彼の名前が冠せられました。地震の揺れの強さは、私たちの生活に大きな影響を与えます。ガルという単位を通して、地震のエネルギーをより具体的に理解し、防災意識を高めることが重要です。
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地震の揺れを測る: MSK震度階とは

日々生活する中で、私達は地震の揺れの強さを知るために「震度」という言葉を使います。この震度は、ある地点における地震の揺れの強さを表す尺度です。 日本では、気象庁が発表する震度階級が一般的に使われています。この震度階級は、震度0、震度1、震度2、震度3、震度4、震度5弱、震度5強、震度6弱、震度6強、震度7 の10段階で区分されます。それぞれの段階に応じて、体感する揺れの程度や建物への影響などが異なります。 震度階級は世界共通ではなく、国や地域によって独自の基準が定められています。日本の震度階級は、世界的に見ると細かく区分されている点が特徴です。これは、日本が地震の発生頻度が高く、被害を軽減するために詳細な情報提供が必要とされるためです。 震度を知ることで、私たちは地震の規模を把握し、適切な行動をとることができます。例えば、大きな地震が発生した場合、震度情報に基づいて避難の必要性を判断したり、家具の固定などの安全対策を講じたりすることができます。
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震度階級:地震の揺れを測る物差し

地震が発生すると、ニュースなどで「マグニチュード」という言葉を耳にする機会も多いでしょう。マグニチュードは、地震そのものの規模を表す尺度であり、値が大きいほど、地震で放出されるエネルギーは莫大になります。マグニチュードが1増えると、実際にはエネルギーは約32倍、マグニチュードが2増えると約1000倍も異なるのです。 しかし、私たちが実際に感じる揺れの強さは、マグニチュードだけでは決まりません。同じマグニチュードの地震であっても、震源からの距離や、地盤の性質によって揺れ方は大きく変わってきます。 例えば、震源に近い場所では、地震波が伝播する間にエネルギーが減衰する前に到達するため、震源から遠い場所と比べて揺れは強く感じます。また、地盤が固い岩盤か、あるいは軟らかい堆積層かによっても揺れ方は異なります。一般的に、岩盤は地震波を伝えにくく、堆積層は伝えやすい性質があるため、同じマグニチュードの地震であっても、堆積層に覆われた地域では、岩盤に比べて揺れが大きくなる傾向があります。 このように、地震の揺れはマグニチュードだけでなく、様々な要因が複雑に絡み合って決まります。地震による被害を軽減するためには、マグニチュードだけでなく、震源からの距離や地盤の状況なども考慮した上で、防災対策を進めることが重要です。
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震度とマグニチュード:地震の揺れを理解する

私たちが生活する地球では、地下で巨大な力が解放される現象、地震が後を絶ちません。この時発生する地面の揺れの強さを表す尺度が震度です。かつて、震度はそこに住む人々の体感や建物や家具の揺れ方といった周囲の状況から判断されていました。しかし、人の感覚はそれぞれ異なり、客観的な評価が難しいという課題がありました。そこで、1991年以降は計測震度計という機器を用いて、揺れの強さを数値的に捉え、より客観的な指標として震度が決定されるようになりました。 震度は、体感できるかできないか程度の揺れの震度0から、立っていることが困難なほどの激しい揺れの震度7まで、10段階に区分されます。具体的には、震度0、震度1、震度2、震度3、震度4、震度5弱、震度5強、震度6弱、震度6強、震度7のように、数字と「弱」「強」の組み合わせで表現されます。震度7は最も強い揺れであり、建物倒壊や地滑りなど、甚大な被害が発生する可能性が高いことを示しています。
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地震の発生場所: 震央とは

私たちの住む地球の表面は、プレートと呼ばれる巨大な岩盤のようなもので覆われています。まるでジグソーパズルのように組み合わさったこのプレートですが、実は常にゆっくりと動き続けています。 プレートはそれぞれが別々の方向へ移動しているため、プレート同士がぶつかり合う場所も存在します。このような場所では、想像を絶する力が長年に渡って蓄積されていきます。そして、ついに限界を超えた時に、岩盤が破壊され、私たちが地震と呼ぶ現象が起こるのです。 この岩盤の破壊が始まった最初の地点を震源と呼びます。震源は多くの場合、地球内部の深い場所に位置しています。地震のエネルギーが解放されるまさにその起点こそが震源であり、そこから地震波が四方八方へと伝播していくのです。