地球規模の気象を解き明かす:大気大循環モデル
- 大気大循環モデルとは
大気大循環モデル(AGCM)は、地球全体の複雑な大気の動きを、物理法則に基づいた数式を用いてコンピュータ上に再現する、いわば「地球シミュレーター」です。
天気予報と聞いて、多くの人が日常的に接する天気図を思い浮かべるでしょう。その天気予報を支える技術の一つが、この大気大循環モデルです。天気予報では数日から数週間先の天気を予測しますが、大気大循環モデルが扱う時間スケールは、さらに広範囲に及びます。数十年後、そして地球温暖化予測のように100年後の未来の大気状態さえも予測することができます。
大気は、温度、気圧、風向、湿度など、様々な要素が複雑に絡み合いながら変化する巨大なシステムです。大気大循環モデルは、これらの要素間の相互作用を、物理法則に基づいた数式で表現し、スーパーコンピュータを用いて計算することで、過去から未来への大気状態の変化を再現・予測します。そして、その予測結果は、天気予報だけでなく、気候変動予測や環境問題の研究など、様々な分野で活用されています。