
エネルギー収支比:エネルギー源の「質」を測る
- エネルギー収支比とは
エネルギー収支比(EPR)とは、あるエネルギー源がどれだけの効率でエネルギーを生み出すことができるのかを示す指標です。エネルギーを得るためには、その資源の採掘から利用、そして廃棄に至るまで、様々な段階でエネルギーが必要です。エネルギー収支比は、最終的に得られるエネルギー量と、それらの過程で消費されるエネルギー量の比率で表されます。
例えば、石油を例に考えてみましょう。石油は、まず地面から原油を掘り出す必要があります。この時、掘削機やポンプなどの大型機械が稼働しますが、これらには燃料が必要です。次に、掘り出した原油を精製し、ガソリンや灯油、軽油などに加工しますが、この精製過程にもエネルギーが必要です。そして、精製された石油をタンクローリーなどで消費地まで輸送する際にも、燃料が使われます。このように、私たちが普段使っているエネルギーを得るまでには、様々な段階でエネルギーが消費されています。
エネルギー収支比が高いエネルギー源ほど、少ないエネルギー消費で多くのエネルギーを生み出すことができる、効率の良いエネルギー源と言えるでしょう。逆に、エネルギー収支比が低いエネルギー源は、多くのエネルギーを消費してやっと少しのエネルギーを得られる、効率の悪いエネルギー源と言えます。近年、環境問題への意識の高まりから、エネルギー収支比の高い再生可能エネルギーが注目されています。