
原子力発電の安全確保の要:安全設計審査指針とは
原子力発電所は、莫大なエネルギーを生み出すことができる一方で、ひとたび事故が起きれば深刻な被害をもたらす可能性も孕んでいます。そのため、新しい原子力発電所を建設する際には、その安全性を確保するための厳正な審査が欠かせません。この安全審査において、設計の妥当性を判断するための重要な役割を担うのが「安全設計審査指針」です。
この指針は、原子力発電所が安全に運転できるよう、設計の段階から安全性確保の観点で細かく要求事項を定めたものです。具体的には、地震や津波といった自然災害に対する備えはもちろんのこと、テロリズムのような外部からの意図的な攻撃に対する対策についても、具体的な基準が設けられています。
「安全設計審査指針」に基づいて設計の妥当性が確認されて初めて、原子力発電所の建設が許可されることになります。これは、国民の生命と財産、そして環境を守る上で、決して妥協できないプロセスと言えるでしょう。