姑息照射:症状緩和を目指す放射線治療
- 姑息照射とは姑息照射とは、がん治療の一環として行われる放射線治療の中で、がんそのものを完全に治すことを目的とするのではなく、がんが原因で現れる様々な苦痛を和らげることを目的とした治療法です。痛みや出血、腫れ、呼吸困難などの症状を改善し、患者さんの生活の質(QOL)を向上させることを目指します。
姑息照射は、根治が難しい進行がんの患者さんに対して行われることが多いです。例えば、がんが体の広範囲に広がっている場合や、患者さんの体力的な理由で手術や抗がん剤治療が難しい場合などが挙げられます。
従来の放射線治療と比較して、姑息照射では一回当たりの照射線量は少なく、照射回数も少ない傾向にあります。これは、身体への負担を軽減し、治療による副作用を抑えるためです。
姑息照射は、がん患者さんの生活の質を維持・向上させる上で重要な役割を担っています。体に負担の少ない治療法であるため、体力の衰えた患者さんや高齢の患者さんでも安心して治療を受けることができます。