小型炉

原子力施設

革新的な原子炉:4S炉の仕組みと将来性

- 4S炉安全性と効率性を追求した原子炉4S炉は、「SuperSafe, Small and Simple Reactor」の頭文字をとった名称で、電力中央研究所と東芝が共同で開発した小型高速炉です。従来の大型原子炉とは異なり、比較的に小型で、安全性と効率性に優れた設計が特徴です。4S炉の出力は約1万kWで、これは一般的な原子力発電所と比べると小規模です。しかし、この小ささこそが4S炉の大きな利点となっています。大型原子炉では建設が困難な都市部に近い場所や、電力供給が不安定になりがちな離島など、様々な場所に設置することが可能になるからです。4S炉は、その名の通り、安全性を重視して設計されています。自然循環による冷却システムを採用することで、ポンプなどの動力源がなくても炉心を冷却し続けることが可能となっています。また、万が一、炉心で異常が発生した場合でも、受動的な安全機構によって、外部からの電力供給や操作なしに、炉心を安全な状態に導くことができます。さらに、4S炉は燃料の燃焼効率が高く、長期間の運転が可能です。これは、燃料交換の頻度を減らせることを意味し、運転コストの削減だけでなく、放射性廃棄物の発生量抑制にも貢献します。このように、4S炉は、安全性、効率性、そして立地柔軟性を兼ね備えた、次世代の原子炉として期待されています。