局部被ばく

放射線について

局部被ばく: 放射線被ばくの種類

- 局部被ばくとは私たち人間は、日常生活を送る中で、太陽光や家電製品などから、ごくわずかな放射線を常に浴びています。このような、体が全体的にまんべんなく放射線を浴びることを「全身被ばく」と呼びます。一方、「局部被ばく」は、体の一部分だけが集中的に強い放射線を浴びてしまうことを指します。これは、放射線を発する物質を扱う作業現場などで、体の一部だけが放射線源に極端に近づいてしまうなど、特定の状況下で起こりえます。例えば、放射性物質を含む器具を誤って素手で触ってしまったり、放射線が一部に集中する装置の近くで適切な防護措置を取らずに作業したりすると、その部分だけが強い放射線を浴びてしまい、局部被ばくが起こる可能性があります。局部被ばくでは、被ばくした部位の細胞や組織に、集中的にダメージが加えられます。浴びた放射線の量や時間、被ばくした体の部位によって、皮膚の赤みや炎症、水ぶくれ、脱毛などの症状が現れることがあります。重症化すると、細胞の遺伝子が損傷し、将来的にがんなどのリスクが高まる可能性も懸念されます。放射線は目に見えず、臭いもしないため、私たちが直接感じ取ることはできません。そのため、放射性物質を取り扱う際には、作業手順を遵守し、適切な防護具を着用するなど、安全対策を徹底することが極めて重要です。