
崩壊定数:原子核の寿命を測る物差し
私たちの身の回りには、実に多種多様な元素が存在しています。そして、これらの元素の中には、自ら安定した状態へと変化しようとする性質を持つものがあります。このような元素は「放射性元素」と呼ばれ、時間経過とともに他の元素へと姿を変えていきます。この変化は「放射性崩壊」と呼ばれ、原子核から放射線を発することを伴います。
放射性元素と聞いて、危険なもの、特殊な物質を思い浮かべるかもしれません。しかし、意外にも、私たちの身近にも放射性元素は存在しています。例えば、バナナにも含まれるカリウムや、空気中にごくわずかに存在する炭素なども、微量ですが放射性同位体を含んでいます。これらの放射性同位体は、常に放射性崩壊を起こし、別の元素へと変化し続けています。
放射性崩壊は、自然界ではごく当たり前に起こっている現象であり、私たち人間を含めた地球上の生物は、常に微量の放射線にさらされながら生きていると言えるでしょう。