工業利用

放射線について

電子線硬化:未来を照らすクリーンな技術

- 硬化とは何か硬化とは、物質がその状態を変化させ、固体になる現象のことを指します。特にプラスチックや樹脂などの分野において、この言葉は頻繁に用いられます。例えば、液体の状態であるエポキシ樹脂やアクリル樹脂に硬化剤と呼ばれる物質を混ぜると、化学反応によって液体から固体へと変化します。この固体への変化を硬化と呼びます。硬化は、物質内部で起こる分子の結合の変化によって起こります。 液体状態では自由に動き回っていた分子が、硬化剤の作用によって互いに結びつき、網目状の構造を形成することで、物質は固体へと変化します。 この網目構造が密になるほど、物質はより硬くなります。硬化は、製品に最終的な形を与えるだけでなく、強度や耐久性を向上させる上でも重要な役割を担っています。 例えば、スマートフォンに使われているプラスチック部品や、飛行機の機体に使われている炭素繊維強化プラスチックなどは、硬化というプロセスを経て、必要な強度と耐久性を得ています。このように、硬化は様々な分野で利用されている重要な現象と言えるでしょう。
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放射線で紙の重さを見る技術

私たちが普段、何気なく使っている紙。その重さを表すとき、「この紙、何グラムだろう?」と考えることはあっても、専門的な単位を使うことはほとんどありません。しかし、印刷会社など、紙を専門的に扱う業界では、「坪量(つぼりょう)」という単位を使って紙の重さを表しています。 坪量は、紙1平方メートルあたりの重さをグラムで表したものです。1平方メートルは、縦横1メートル四方の紙の面積を表します。つまり、縦横1メートルの紙の重さを測り、その重さが100グラムであれば、その紙の坪量は100グラムとなります。 同じ重さの紙でも、薄い紙は面積が広くなり、厚い紙は面積が小さくなります。そのため、坪量を見ることで、紙の厚さや質感をある程度把握することができます。例えば、コピー用紙として一般的に使用される紙の坪量は64グラムですが、ハガキなど、厚みのある紙の場合は、坪量は200グラムを超えることもあります。 このように、坪量は、紙の厚さや密度を考慮した指標となり、紙の選び方の一つとして重要な役割を担っています。
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コバルト60:放射線の力で社会に貢献

コバルト60とは、私たちの身の回りにあるコバルトという金属元素から人工的に作り出される物質です。 コバルトは鉄と同じ仲間で、原子番号27、原子量58.93と表されます。このコバルトに、目には見えない中性子という粒子をぶつけることで、コバルト60は生まれます。 コバルト60は、放射線を出す性質を持っています。放射線には様々な種類がありますが、コバルト60から出る放射線はガンマ線と呼ばれています。 ガンマ線は非常に強いエネルギーを持っており、物質を透過する力も強いです。この性質を利用して、医療の現場ではガンマ線を使った治療が行われています。 例えば、ガンマ線を患部に照射することで、がん細胞を死滅させる治療法などがあります。 また、工業分野でもコバルト60は活躍しています。製品の内部を検査する際などに、ガンマ線が利用されています。製品にガンマ線を照射し、その透過の様子を調べることで、内部の欠陥などを発見することができるのです。このように、コバルト60は医療や工業など、様々な分野で私たちの生活に役立っています。