廃炉

原子力の安全

原子力発電の安全確保:汚染除去の重要性

- 汚染除去とは汚染除去とは、放射性物質が付着してしまった人体、衣服、用具、施設などから、その放射性物質を取り除く作業のことを指します。原子力発電所では、ウラン燃料の核分裂によってエネルギーを生み出す過程で、微量の放射性物質が発生することがあります。これらの放射性物質は、目に見えず、臭いもしないため、気づかないうちに体に付着したり、周囲を汚染したりする可能性があります。汚染除去は、原子力発電所の安全を確保するために、そしてそこで働く作業員の健康を守る上で欠かせない作業です。もし放射性物質が付着したまま放置すると、被ばくによる健康への影響が懸念されます。そのため、原子力発電所では、日常的な作業の中で汚染の発生を防ぐ対策を徹底するとともに、万が一、汚染が発生した場合には、速やかに汚染箇所を特定し、適切な方法で汚染除去を実施します。具体的な汚染除去の方法としては、水や専用の洗浄剤を使って洗い流す方法、汚染された部分を削り取る方法、汚染されたものを隔離して保管する方法など、対象物や汚染の程度に応じて様々な方法があります。原子力発電所では、これらの方法を適切に組み合わせることで、安全かつ確実に汚染を除去し、安全な環境を維持しています。
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原子力施設の安全を守る: グリーンハウスの役割

- グリーンハウスとは原子力施設では、長い年月をかけて運転した後や、設備を新しくする際に、放射能を帯びた設備を解体したり、撤去したりする作業が発生します。この作業は、原子炉のような大きなものから、配管や装置の一部のような小さなものまで、規模は様々です。しかし、規模の大小に関わらず、これらの作業では、放射性物質を含む非常に細かい塵や埃が発生する可能性があり、周囲の環境への汚染を防ぐための対策が何よりも重要となります。そこで、この重要な役割を担うのが「グリーンハウス」と呼ばれる施設です。グリーンハウスは、解体作業などを行うエリア全体を、頑丈なビニールシートや鉄板などの資材で覆い、周囲から完全に隔離することで、放射性物質が外部に拡散することを防ぐ、いわば仮設の建物です。イメージとしては、工事現場などで見かける、足場を組んでシートで覆った建物を想像すると分かりやすいかもしれません。グリーンハウス内は、放射性物質が外部に漏れ出さないよう、気圧を外部よりも低く保つ「負圧管理」という方法がとられています。さらに、グリーンハウス内で発生する空気は、専用のフィルターを通して放射性物質を徹底的に除去してから外部に放出されます。このように、グリーンハウスは二重三重の対策を施すことで、周辺環境の安全を守りながら、原子力施設の解体や撤去作業を安全に進めるために無くてはならない施設なのです。