強度変調放射線治療

放射線について

進化する放射線治療:強度変調放射線治療とは

がん治療において、患部に放射線を照射してがん細胞を死滅させる放射線治療は、手術、抗がん剤治療と並ぶ主要な治療法の一つです。近年、この放射線治療において、「強度変調放射線治療(IMRT)」という新しい技術が登場し、注目を集めています。 従来の放射線治療では、一定の強さの放射線を照射していましたが、がん細胞だけでなく、周囲の正常な細胞にもダメージを与えてしまうという課題がありました。IMRTは、コンピューター制御によって放射線の強度を細かく調整することで、複雑な形状のがんにも、周囲の正常な組織を避けながら、ピンポイントで放射線を照射することを可能にしました。 IMRTの最大のメリットは、がん細胞への照射量を増やしつつ、正常な組織への影響を最小限に抑えられることです。これにより、従来の放射線治療よりも副作用を軽減できる可能性が高まっています。また、治療効果を高めることも期待されており、がんの種類によっては、IMRTによって治癒率の向上が見込めるケースもあります。 IMRTは、すでに多くの医療機関で導入されており、がん治療の新たな選択肢として、今後ますます普及していくと考えられます。