微量分析

原子力施設

東大MALTandem加速器:微小世界の探求者

東京大学原子力研究総合センターに設立された東大MALTは、MicroAnalysis Laboratory, Tandem acceleratorの頭文字をとったもので、物質の微細な構造や組成を原子レベルで解き明かすことを目的とした世界トップレベルの分析施設です。この施設の心臓部には、全長約40メートルにも及ぶ巨大な「タンデム加速器」が設置されています。 タンデム加速器は、電子を剥ぎ取った原子を高速に加速し、分析対象となる物質に照射します。この時、物質から放出される粒子や光のエネルギーや量を精密に測定することで、物質を構成する元素の種類や量、さらにそれらの空間的な配置といった情報を得ることができます。 東大MALTでは、このタンデム加速器を用いた分析技術に加えて、様々な顕微鏡技術や分光技術を駆使することで、物質科学、材料科学、生命科学、環境科学、考古学など、多岐にわたる分野の研究に貢献しています。例えば、新材料の開発や、環境中の微量元素分析、文化財の年代測定など、ミクロの世界を探求することでマクロな世界を理解するための重要な役割を担っています。
その他

放射化学分析:物質の秘密を探る

- 放射化学分析とは私たちの身の回りに存在する物質は、全て非常に小さな粒子である原子から構成されています。そして、原子の中には、放射線と呼ばれるエネルギーを放出する特殊な原子、すなわち放射性核種が存在することがあります。この放射性核種は、自然界に存在するものもあれば、人工的に作り出されるものもあります。放射化学分析とは、物質中に含まれるこれらの放射性核種に注目した分析方法です。具体的には、放射性核種が放出する放射線の量を精密な測定機器を用いて測定します。それぞれの放射性核種は、種類によって異なるエネルギーの放射線を放出するという特徴を持っています。この特徴を利用することで、測定された放射線のエネルギーから、物質中にどんな種類の放射性核種が含まれているのかを特定することができます。さらに、放射線の量は、その物質中に含まれる放射性核種の量に比例するため、測定された放射線の量から、それぞれの放射性核種がどのくらいの量含まれているのかを調べることが可能となります。放射化学分析は、環境中の放射性物質の測定や、食品の安全性の評価など、様々な分野で利用されています。微量の放射性物質を検出できる高い感度を持つことが特徴であり、私たちの生活を守る上で重要な役割を担っています。