
致死線量:放射線による影響の深刻さを知る
私たちは普段の生活の中で、太陽の光や病院のレントゲンなど、ごくわずかな放射線を常に浴びています。これらの放射線はごく微量なので、私たちの健康に影響を与えることはほとんどありません。しかし、一度に大量の放射線を浴びてしまうと、身体への影響は深刻なものになります。
大量の放射線を浴びると、細胞の中の遺伝子が傷つけられ、細胞が正常に働かなくなったり、死んでしまったりします。その結果、吐き気や嘔吐、下痢、脱毛などの症状が現れます。これが「急性放射線症」と呼ばれるもので、症状の重さによって、軽度、中等度、重度、致命的の4段階に分けられます。
大量の放射線を浴びた場合、治療法は限られており、対症療法が中心となります。放射線による汚染を取り除き、輸血や抗生物質の投与などを行い、身体を休ませながら回復を待つことになります。
放射線による影響は、一度に浴びる量が多いほど大きくなります。そのため、原子力発電所などで事故が発生した場合には、周辺住民は避難したり、屋内に留まるなどの指示に従い、できる限り放射線を浴びないようにすることが重要です。