排ガス処理

核燃料

原子力と環境:脱硝技術の役割

- 脱硝とは?大気汚染物質の一つである窒素酸化物(NOx)は、呼吸器に悪影響を及ぼしたり、酸性雨の原因となるなど、環境問題を引き起こす物質として知られています。この窒素酸化物を、燃焼ガスや排ガスから取り除く技術のことを「脱硝」と言います。火力発電所や工場など、燃料を燃焼させる施設では、高温環境下で空気中の窒素と酸素が反応し、どうしても窒素酸化物が発生してしまいます。そこで、大気汚染防止の観点から、窒素酸化物の排出量を削減するために脱硝装置が導入されています。脱硝の方法はいくつかありますが、代表的なものとして「選択触媒還元法」が挙げられます。これは、触媒を用いて窒素酸化物を無害な窒素と水に分解する方法です。具体的には、アンモニアなどの還元剤を排ガスに添加し、触媒層を通過させることで化学反応を起こし、窒素酸化物を浄化します。脱硝技術は、環境負荷を低減するための重要な技術として、今後も開発・改良が進められていくと考えられます。
その他

セラミックフィルタ:高温排ガス処理の救世主

セラミックフィルタは、その名の通りセラミックの一種である炭化ケイ素を素材とした、高温環境での使用に適したフィルタです。炭化ケイ素は、高い強度と耐熱性を持ち合わせており、過酷な環境下でも劣化しにくいという特徴があります。そのため、セラミックフィルタは、高温の気体や液体から不純物を取り除くために、幅広い分野で活用されています。 セラミックフィルタの構造は、大きく分けて二つあります。一つは、耐火断熱材を内張りした缶体内に、耐熱鋼支持板で支えられたフィルタエレメントが設置されている構造です。この構造により、高温の気体や液体に直接触れても、フィルタエレメントが損傷するのを防ぎます。もう一つは、ハニカム構造と呼ばれる、多数の貫通孔を持つ構造です。この構造により、圧力損失を抑えながら、効率的に不純物を除去することができます。 セラミックフィルタは、その優れた特性から、原子力発電所をはじめ、火力発電所、ごみ焼却炉、化学プラントなど、様々な分野で使用されています。特に、近年注目されている、高温の気体から不純物を除去する必要がある分野では、セラミックフィルタの需要がますます高まっています。
その他

火力発電所の立役者:排煙脱硝装置

私たちの生活に欠かせない電気を供給してくれる火力発電所ですが、同時に、大気を汚染する物質も排出しています。その代表的なものが窒素酸化物です。窒素酸化物は、酸性雨や呼吸器系の病気の原因となることから、大気汚染防止法によって排出量が規制されています。 火力発電所から排出される煙の中には、燃料である石炭や石油、天然ガスなどに由来する窒素酸化物と、ものを燃やすために使われる空気中の窒素が高温で変化することによって発生する窒素酸化物が含まれています。 これらの窒素酸化物を煙から取り除くために設置されているのが排煙脱硝装置です。 排煙脱硝装置は、煙の中にアンモニアを混ぜて化学反応を起こすことで、窒素酸化物を無害な窒素と水に分解します。この装置のおかげで、火力発電所から排出される窒素酸化物の量は大幅に減少し、大気環境の改善に大きく貢献しています。 火力発電所は、今後もエネルギー供給の重要な役割を担っていくと考えられます。同時に、地球環境の保全も重要な課題です。排煙脱硝装置は、エネルギーの安定供給と地球環境の保全を両立させるために、今後も無くてはならない設備と言えるでしょう。