
原子力発電の将来を支える資源: 推定追加資源量とは?
原子力発電の燃料であるウラン。その資源量は、どのように見積もられているのでしょうか?ウラン資源量は、存在の確実性と経済性という2つの要素を基準に、いくつかの段階に分類されます。
まず、存在がほぼ確実で、現在の技術や経済状況で採掘可能なウラン資源量は「確認資源量」と呼ばれます。一方、存在する可能性は低いものの、将来的な技術革新や価格の上昇によって採掘が可能になるかもしれないウラン資源量は「予測資源量」と呼ばれます。このように、ウラン資源量は確実性と経済性に応じて、段階的に分類されているのです。
こうした資源量の分類の中で、かつて重要な役割を担っていたのが「推定追加資源量」です。確認資源量ほど存在の確実性は高くありませんが、地質学的兆候に基づいて存在が推定されるウラン資源量を指します。2003年版までは、経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)と国際原子力機関(IAEA)が共同で発行する調査報告書において、資源量評価の重要な指標として用いられていました。しかし、その後の報告書からは、評価基準の変更に伴い、推定追加資源量の記載はなくなりました。