放射線発生装置:その定義と種類
- 放射線発生装置とは放射線発生装置と聞くと、病院でレントゲン撮影に使われる装置や、大学などの研究機関で使われる加速器を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かにこれらは放射線発生装置の一種ですが、放射線発生装置という言葉は、もっと広く、電離放射線を人工的に発生させる装置全般を指します。しかし、法律によってその定義は異なります。日本では、放射線による健康への悪影響を防ぐことを目的とした「放射線障害防止法」という法律があります。この法律では、放射線発生装置は、「人が診断、治療又は検査を受ける場合に限り、当該人に電離放射線を照射することを目的として、電離放射線を発生させる装置」と定義されています。 つまり、医療現場で使われるレントゲン装置などがこの法律で定める放射線発生装置に該当します。一方、研究や工業製品の検査などに使われる加速器や、放射性物質を含む医療機器などは、この法律における放射線発生装置には該当しません。これらの装置は、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」や「電気事業法」など、他の法律に基づいて管理されています。このように、放射線発生装置という言葉は、文脈によって異なる意味を持つことを理解しておく必要があります。