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植物の鍵、リグニン:エネルギー源としての可能性

木は、私たちの生活に欠かせない存在です。家屋の柱や梁、家具、紙など、様々なものに形を変えて、私たちの暮らしを支えています。木の主成分はセルロースですが、実は、セルロースに次いで多く含まれる「リグニン」という物質も、木の重要な役割を担っています。 リグニンは、細胞と細胞の間を接着する、言わば「木質の接着剤」です。コンクリートの建物をイメージすると分かりやすいでしょう。鉄筋がセルロースだとすると、リグニンは鉄筋と鉄筋を結び付けるコンクリートの役割を果たします。リグニンがあるおかげで、木は高い強度と硬さを持ち、風や雨に耐え、私たちの家を守ることができるのです。 さらに、リグニンは、木の腐敗を防ぐ役割も担っています。細菌や菌類などの微生物は、木材を分解して栄養を得ようとしますが、リグニンはこれらの微生物の侵入を防ぎ、木の寿命を延ばします。木の成長には長い年月がかかりますが、リグニンによって長持ちするおかげで、私たちは貴重な木材資源を有効に活用することができるのです。 このように、リグニンは、木材の強度と耐久性を支える、まさに「陰の立役者」と言えるでしょう。