原子力の平和利用を守る仕組み:保障措置とは
- 保障措置の目的
原子力発電をはじめとした原子力の平和利用は、私たちの社会に様々な恩恵をもたらす一方で、軍事転用される可能性も孕んでいます。もしも、発電などに使用されるはずの核物質が、兵器の開発に利用されてしまったら、国際社会の安全が脅かされる事態になりかねません。
そこで、核物質が平和的な目的だけに利用されていることを国際的に確認し、軍事転用を防ぐための仕組みとして、保障措置が設けられています。これは、国際原子力機関(IAEA)による査察などを柱とした、世界共通の監視システムです。
保障措置は、核兵器の拡散を防止するとともに、原子力の平和利用を促進するという、国際社会全体の利益につながる重要な役割を担っていると言えるでしょう。具体的には、各国がIAEAと締結した保障措置協定に基づき、核物質の在庫や移動などをIAEAに報告し、IAEAは報告内容が正しいことを確認するために、査察などを行っています。
このように、保障措置は、国際的な協力と信頼関係のもとに成り立っており、原子力の平和利用を持続可能なものとするために、欠かせないものです。