
放射線計測の要:検出効率を理解する
- 検出効率とは
放射線は目に見えず、直接感じることもできません。そこで、放射線を計測するために放射線検出器と呼ばれる装置が用いられます。放射線検出器は、目に見えない放射線を検知し、私たち人間が認識できる信号に変換する役割を担っています。
この放射線検出器の性能を示す重要な指標の一つに「検出効率」があります。検出効率とは、検出器に入射する放射線粒子に対して、実際に検出器が信号を出力する割合のことを指します。
例えば、100個の放射線粒子が検出器に入射し、そのうち50個の粒子に対してのみ信号が出力されたとします。この場合、その検出器の検出効率は50%となります。残りの50個の粒子については、検出器を通過したにも関わらず信号が出力されなかった、つまり検出されなかったことを意味します。
検出効率は、放射線の種類やエネルギー、検出器の種類や構造によって異なります。そのため、放射線計測を行う際には、測定対象や測定環境に適した検出効率の高い検出器を選ぶことが重要となります。検出効率を理解することで、より正確な放射線計測が可能となり、安全な放射線利用にも繋がります。