
プラズマ閉じ込めの鍵!極小磁界とは
核融合発電は、未来のエネルギー源として期待されています。太陽の内部で起きている核融合反応を地上で再現し、膨大なエネルギーを取り出すという壮大な計画です。
しかし、核融合の実現には、1億度を超える超高温のプラズマを長時間安定して閉じ込めるという、極めて高いハードルが立ちはだかっています。プラズマは不安定な性質を持つため、容易に拡散してしまうからです。
そこで近年注目されているのが、「極小磁界」という概念です。これは、プラズマを閉じ込めるために使われる磁気ミラー型装置において、磁場の形状を工夫することでプラズマの不安定性を抑制するという画期的なアイデアです。
従来の磁気ミラー型装置では、プラズマを閉じ込めるために強い磁場を生成していましたが、プラズマは不安定になりがちでした。一方、極小磁界では、磁場の強さを中心部で最も弱くし、周辺部に向かって徐々に強くなるように設計します。この結果、プラズマはまるで谷底に集まるように、磁場の弱い中心部に安定して閉じ込められるのです。
極小磁界は、核融合発電の実現に向けて、大きな期待が寄せられています。将来的には、極小磁界を用いた核融合炉が、安全でクリーンなエネルギーを私たちにもたらしてくれるかもしれません。