正規化植生指数

その他

衛星から緑を見よう:正規化植生指数の紹介

私達の目に映る植物の葉は、ほとんどが緑色をしています。これは、植物の葉緑体が太陽光に含まれる光のうち、緑色の光を反射し、それ以外の色の光を吸収して光合成を行っているためです。 しかし、植物が反射している光は緑色の光だけではありません。植物は、人間の目には見えない近赤外線の光も、緑色の光と同じように強く反射しているのです。 この性質を利用して、植物の分布や生育状況を宇宙から調べる技術があります。それが正規化植生指数(NDVI)と呼ばれるものです。 NDVIは、人工衛星から観測した、植物が反射する光の強さを元に算出されます。具体的には、近赤外線の反射光の強さから可視光の反射光の強さを差し引き、それを近赤外線と可視光の反射光の強さの和で割ることで求められます。 NDVIの値は、植物の量や活動状況と相関関係があります。例えば、植物が生い茂っている場所ではNDVIの値は高くなり、逆に、植物が少ない場所ではNDVIの値は低くなります。また、植物が健康な状態であるほどNDVIの値は高くなり、逆に、植物が病気や乾燥などのストレスを受けている場合はNDVIの値は低くなります。 このように、NDVIは植物の分布や生育状況を把握するための有効な指標として、農業や環境分野など、様々な分野で活用されています。