
エネルギー源としての沸騰水型炉
- 沸騰水型炉とは沸騰水型炉は、アメリカのゼネラル・エレクトリック社によって開発された原子炉の一種です。原子力発電所では、ウラン燃料の核分裂反応を利用して莫大な熱エネルギーを生み出します。沸騰水型炉では、この熱を効率的に電力に変換するために、炉の中で直接水を沸騰させて蒸気を発生させるという特徴的な仕組みを持っています。原子炉の中心部には、ジルコニウム合金などで覆われた燃料集合体が設置されています。燃料集合体の中では、ウラン燃料が核分裂反応を起こし、膨大な熱を発生します。この熱は、周囲を流れる水に伝わり、水を沸騰させます。発生した高温・高圧の蒸気は、タービンと呼ばれる巨大な羽根車を回転させる力となります。タービンに連結された発電機が回転することで、電気が生み出されます。このように、沸騰水型炉は、火力発電所と同じように水蒸気の力でタービンを回して発電するという点で共通しています。しかし、火力発電所が石炭や石油などの化石燃料を燃焼させるのに対し、沸騰水型炉はウラン燃料の核分裂反応を利用する点が大きく異なります。沸騰水型炉は、加圧水型炉と並んで世界中で広く採用されている原子炉です。日本では、東京電力福島第一原子力発電所1号機から4号機にも採用されていましたが、2011年の事故をきっかけに、その安全性について改めて議論がなされています。