活性酸素

放射線について

活性酸素から身を守るSOD酵素

- 活性酸素とは?私たちは日々、呼吸によって酸素を取り込み、体内でエネルギーを作り出して生きています。ところが、このエネルギー生成の過程で、どうしても避けられないものがあります。それが活性酸素です。活性酸素は、呼吸によって取り込まれた酸素の一部が変化したもので、普通の酸素よりもはるかに反応しやすい性質を持っています。活性酸素は、まるで錆のように、私たちの体内の細胞や組織を少しずつ傷つけていきます。このダメージが蓄積していくことが、老化現象の大きな原因の一つと考えられています。また、活性酸素は老化だけでなく、がんや動脈硬化、糖尿病など、様々な病気の発症リスクを高めることも指摘されています。活性酸素は、呼吸によって体内で自然に発生するだけでなく、紫外線や放射線、タバコの煙、大気汚染、激しい運動、ストレス、睡眠不足など、様々な要因によって増加することがわかっています。これらの要因に日常的にさらされている現代人にとって、活性酸素は決して無視できない存在と言えるでしょう。
放射線について

活性種:放射線が生み出すミクロの世界のパワー

- 活性種とは? 物質は、通常、安定した状態で存在しています。これは、湖面に例えると、静かで穏やかな状態であると言えます。しかし、物質に放射線のような強いエネルギーが加わると、その安定した状態は崩れ、不安定な状態になります。この不安定な状態にある原子や分子を活性種と呼びます。 活性種は、フリーラジカルや遊離基とも呼ばれ、他の物質と非常に反応しやすいという特徴があります。これは、活性種が、元の安定した状態に戻るために、周囲の物質から電子を奪ったり、逆に与えたりしようとするためです。 湖面に例えると、活性種は、静かな水面に投げ込まれた小石のようなものです。小石が水面に落ちると、波紋が広がっていきます。活性種も同様に、物質内部で周囲に影響を与え、様々な反応を引き起こします。 活性種は、放射線によって発生するだけでなく、紫外線や化学物質によっても発生します。また、私たちの体の中でも、呼吸によってエネルギーを生み出す過程で、活性種が常に発生しています。活性種は、必ずしも有害なものではなく、体内の免疫システムにおいて、細菌やウイルスを攻撃する役割も担っています。