浅層処分

原子力の安全

原子力発電の安全対策:浅層処分とは

- 浅層処分の基礎知識原子力発電所からは、運転や施設の解体に伴い、放射能レベルの異なる様々な廃棄物が発生します。これらの廃棄物は、その放射能レベルに応じて適切な処理・処分を行う必要があります。その中でも、放射能レベルの比較的低い廃棄物は、適切な処理を施した上で浅い地層に埋設処分されます。これを浅層処分と呼びます。浅層処分では、まず廃棄物をセメントやアスファルトなどで固め、ドラム缶などの容器に収納します。さらに、これらの容器をコンクリートなどで作られた箱型構造物に入れた後、地下数十メートルの深さに掘削した処分施設に埋設します。処分施設は、難透水性の高い粘土や岩盤などで構成され、地下水の浸入を抑制する構造となっています。このように、浅層処分は、人工バリアと天然バリアの組み合わせによって、放射性廃棄物を環境から長期にわたって隔離する技術です。これにより、放射性物質が生物圏へ拡散するのを防ぎ、私たち人間や環境への影響を低減することができます。浅層処分は、国際原子力機関(IAEA)も認める、安全で確立された技術であり、世界各国で実施されています。