液体金属

原子力施設

原子力発電における液体金属NaK

- NaKとはNaKは、ナトリウム(Na)とカリウム(K)を混合して作られる合金です。金属でありながら、常温で液体という珍しい性質を持っています。その見た目は、銀色に輝き、水銀を思い起こさせます。しかし、水銀よりも比重が軽いため、水に浮かせることも可能です。ただし、水との反応性は非常に高く、激しく反応して水素を発生します。また、空気中の酸素や水分とも反応しやすいため、保管には細心の注意が必要です。一般的には、鉱油や不活性ガス中で保管されます。NaKは、その優れた熱伝導性と低い融点から、原子炉の冷却材として利用されることがあります。原子炉内で発生した熱を効率的に運び出すことで、炉心が過熱するのを防ぎます。しかし、その反応性の高さから、取り扱いには高度な技術と安全管理が求められます。
原子力発電の基礎知識

原子力発電における液体金属の役割

物質は温度変化によって、固体、液体、気体と姿を変えます。これは水と氷の関係を見ればよく分かりますね。金属も例外ではなく、熱を加えていくと液体になるものがあります。これを液体金属と呼びます。 常温で液体金属として存在するのは水銀だけです。体温計や蛍光灯など、私達の身の回りでも幅広く活用されています。水銀以外にも、ナトリウム、リチウム、カリウム、鉛、ビスマスといった金属も、比較的低い温度で液体になります。これらの金属は単独で利用されることもあれば、ナトリウム-カリウム合金や鉛-ビスマス合金のように、複数の金属を組み合わせて利用されることもあります。 液体金属は熱をよく伝える性質を持っているため、原子力発電所では冷却材として利用されています。原子炉内で発生した熱を効率的に運び出すことで、安全に発電を行うことができるのです。また、液体金属は電気を通しやすいという特徴も持っています。そのため、電池の電極材料など、様々な分野での応用が期待されています。