深地層処分

原子力の安全

高レベル放射性廃棄物の最終処分地:母岩の重要性

- 母岩とは 高レベル放射性廃棄物は、その放射能のレベルの高さから、安全かつ恒久的に処分する方法が課題となっています。その有力な解決策として、地下深くの地層に人工的に作った施設内で処分する方法が注目されています。この施設を建設する上で、施設を支え、周りの環境から隔離する役割を担う「母岩」は非常に重要な要素です。 母岩とは、地下深くに存在する硬い岩盤のことで、高レベル放射性廃棄物を封じ込めるための処分施設をその中に建設します。つまり、母岩は処分施設全体を包み込み、外部からの侵入や内部からの漏出を防ぐ、いわば天然のバリアとしての役割を担います。 母岩に求められる重要な性質は、①高い強度と安定性を持つこと、②地下水の流れが非常に遅いこと、③化学的に安定していて、放射性物質を吸着する性質が高いことなどが挙げられます。これらの条件を満たすことで、高レベル放射性廃棄物を長期にわたって安全に閉じ込めておくことが期待できます。 世界各国では、それぞれの地質学的条件を考慮し、適切な母岩を選定するための調査研究が進められています。日本においても、将来 generations の安全を守るため、最適な母岩の選定は重要な課題です。
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放射性廃棄物処分の必要性

- 放射性廃棄物とは放射性廃棄物とは、原子力発電所や病院などで使われた後、不要になったもので、放射線を出す物質を含む廃棄物のことを指します。これらの廃棄物は、私たちが日々使う電気を作ったり、病気の検査や治療に使われたりした後に発生します。放射性廃棄物は、その放射線の強さや種類によって分類されます。例えば、放射能のレベルが低く、比較的短期間で放射線を出しなくなるものや、高い放射能を持ち、何百年、何千年もの間、放射線を出し続けるものもあります。放射性廃棄物は、私たちの生活に欠かせない電気や医療を支える一方で、適切に管理しなければ、環境や人体に影響を与える可能性があります。そのため、国は厳しい基準を設け、安全に保管・処分する方法を研究・開発しています。原子力発電は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しないという利点がありますが、放射性廃棄物の問題は、原子力利用における避けることのできない課題と言えるでしょう。