炉心臨界実験

原子力施設

日米共同研究:JUPITER計画

- 高速増殖炉開発における日米協力1970年代から1980年代にかけて、日本とアメリカは共同で、高速増殖炉の実用化を目指した大型研究プロジェクトに取り組みました。このプロジェクトは「JUPITER計画」と呼ばれ、これは「Japan-United States Program of Integral Test and Experimental Researches」の略称です。当時の日本の原子力開発を牽引していた動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現在の日本原子力研究開発機構)と、アメリカのエネルギー省(DOE)が協力し、高速増殖炉の実用化に不可欠な様々なデータを取得、解析を行いました。高速増殖炉は、従来の原子炉とは異なり、ウラン資源をより効率的に利用できるだけでなく、使用済み燃料を再処理して燃料として使うことができるという特徴を持っています。そのため、将来のエネルギー問題解決への貢献が期待されていました。JUPITER計画では、日米両国の英知を結集し、高速増殖炉の安全性、信頼性、経済性など、様々な観点から研究開発が進められました。JUPITER計画を通じて得られた貴重なデータや知見は、その後の日米両国における高速増殖炉開発に大きく貢献しました。日米の協力は、単に技術的な側面だけでなく、研究者同士の交流や相互理解を促進するなど、多岐にわたる成果をもたらしました。JUPITER計画は、国際協力によって原子力技術の平和利用を推進した輝かしい事例として、現在も高く評価されています。