炭層メタン

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CO2削減への挑戦:RECOPOLプロジェクト

- はじめに地球全体の気温上昇が深刻化する中、二酸化炭素(CO2)の排出量をいかに減らすかは、世界規模で取り組むべき課題となっています。その解決策として期待されている技術の一つに、CO2を地中に閉じ込めてしまう技術、CCS(Carbon Capture and Storage)があります。CCSは、工場や発電所などから排出されるCO2を回収し、地下深くの地層に貯留することで大気中への放出を防ぐ技術です。 CCSの中でも、CO2を炭素を含む地層に注入し、炭素を地中に固定化する技術を「CO2炭層固定化」と呼びます。この技術は、石炭層から天然ガスを回収する際に用いられる技術を応用したものであり、CO2の貯留と同時にエネルギー資源の回収も期待できます。 今回は、EUが中心となって進めているCO2炭層固定化プロジェクトであるRECOPOLプロジェクトについて詳しく解説します。RECOPOLプロジェクトは、ポーランド国内の炭鉱跡地を利用した大規模な実証実験であり、CO2炭層固定化技術の実用化に向けた重要な一歩となることが期待されています。
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未来エネルギー:炭層メタン増進回収法

私たちの暮らす地球には、様々なエネルギー資源が眠っています。その一つに、古くから人々の生活を支えてきた石炭があります。石炭は燃やすことで熱や電気を生み出す、私たちの社会にとって欠かせない役割を担ってきました。しかし、石炭はエネルギー源として利用するだけでなく、実はその地層の中に、さらに別のエネルギーを秘めていることをご存知でしょうか? 石炭層の中には、炭層メタンと呼ばれるガス状のエネルギー資源が豊富に存在しています。これは、石炭が生成される過程で、一緒に閉じ込められたメタンガスです。炭層メタンは、従来の石炭のように燃やすことでエネルギーを取り出すことができます。しかも、石炭を燃やす場合に比べて、二酸化炭素の排出量を抑えることができるという利点もあります。 炭層メタンの回収は、石炭の採掘とは異なる方法で行われます。具体的には、地下深くにある石炭層に向かって井戸を掘り、そこからメタンガスを吸い上げるという方法がとられています。世界では、すでに炭層メタンを利用した発電なども行われており、日本でも、この眠れるエネルギー資源を活用しようと、様々な取り組みが始まっています。石炭層という身近な場所に眠る、新たな可能性を秘めたエネルギー資源。炭層メタンは、私たちの未来を明るく照らす、重要な選択肢の一つとなるかもしれません。
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エネルギーの未来:非在来型天然ガス資源

私たちの暮らす大地の奥深く、従来のエネルギー源を凌駕するほどの莫大なエネルギー資源が眠っていることをご存知でしょうか。それは「非在来型天然ガス資源」と呼ばれ、未来を担うエネルギーとして大きな期待が寄せられています。 これまで私たちが利用してきた天然ガスは、地層の上部に溜まった、採取しやすい場所に存在していました。しかし、非在来型天然ガス資源は、地下深くの岩盤層に閉じ込められていたり、従来とは異なる状態で存在しているため、その開発には高度な技術と多大な費用が必要となります。そのため、これまで採掘は容易ではありませんでした。 しかし、世界の人口増加に伴い、エネルギー需要は増加の一途を辿っています。また、地球温暖化への対策として、二酸化炭素排出量の少ないクリーンなエネルギーへの転換が急務となっています。このような状況下において、非在来型天然ガス資源は、地球環境と調和し、将来のエネルギー需要を満たす可能性を秘めた、まさに「未開拓の宝庫」と言えるでしょう。 非在来型天然ガス資源の開発には、環境への影響を最小限に抑えながら、効率的に資源を活用していくための技術革新が不可欠です。世界各国が協力し、持続可能な社会の実現に向けて、この貴重な資源の開発に取り組んでいくことが重要です。