無気力

放射線について

放射線障害と無気力

私たちは日常生活の中で、疲れていたり、やる気が出なかったり、いわゆる「無気力」な状態を経験することがあります。多くの場合、十分な休息や気分転換によって回復します。しかし、高線量の放射線を浴びた後に無気力感が現れた場合は、注意が必要です。これは一時的な疲労ではなく、放射線障害の初期症状である可能性があるからです。 放射線は、目に見えませんが、私たちの体を通過する際にエネルギーを伝えます。高線量の放射線を浴びると、体内の細胞が強いエネルギーの影響を受けて、細胞の設計図であるDNAが損傷を受けてしまいます。 DNAが損傷すると、細胞は正常に機能することができなくなり、新しい細胞を作ることもできなくなります。その結果、様々な体の機能が損なわれ、疲労感や倦怠感、吐き気、嘔吐、下痢、皮膚の赤み、脱毛など、様々な症状が現れます。これが放射線障害です。 放射線障害の症状は、被曝した放射線の量、被曝した体の部位、個人の体質などによって大きく異なります。初期症状である無気力感は、他の病気と区別がつきにくいという特徴があります。そのため、放射線を浴びた可能性がある場合は、たとえ軽い症状であっても、自己判断せずに医療機関を受診し、専門家の診断を受けることが重要です。