熱サイクル

その他

発電効率を高めるコンバインドサイクルとは

コンバインドサイクルとは、複数の熱サイクルを組み合わせることで、単一の熱サイクルよりも高い熱効率を実現する発電方式です。熱サイクルとは、熱エネルギーを機械的なエネルギーに変換し、電力を取り出す一連の過程を指します。 異なる種類の熱サイクルを組み合わせることで、それぞれのサイクルの利点を活かし、欠点を補うことができます。例えば、ガスタービンエンジンは起動時間が短く、負荷の変化に対応しやすいという利点がありますが、排ガスの温度が高いため、エネルギーの損失が大きいという欠点があります。一方、蒸気タービンはエネルギー変換効率が高いという利点がありますが、起動時間が長く、負荷の変化に対応しにくいという欠点があります。 コンバインドサイクルでは、これらの異なる特性を持つ熱サイクルを組み合わせることで、それぞれの欠点を補いながら、より効率的な発電を実現します。代表的なコンバインドサイクルとして、ガスタービンエンジンで発生する高温の排ガスを利用して蒸気タービンを駆動する、ブレイトン・ランキンコンバインドサイクルがあります。この方式では、ガスタービンエンジンの排熱を蒸気タービンの駆動に利用することで、エネルギーの損失を抑制し、高い熱効率を実現しています。 コンバインドサイクルは、高い熱効率を活かして、燃料消費量と二酸化炭素排出量の削減に貢献できる発電方式として、世界中で広く採用されています。
原子力発電の基礎知識

原子力発電の要: 熱効率を理解する

- 熱効率とは熱効率とは、投入した熱エネルギーに対して、どれだけを私たちが利用できる形に変換できたかを示す割合のことです。わかりやすく火力発電所を例に考えてみましょう。火力発電所では、石炭や石油などの燃料を燃やして熱を作り、その熱で水を沸騰させて蒸気を発生させます。そして、その蒸気の力でタービンを回し、発電機を動かして電気を作っています。しかし、燃料を燃やして発生させた熱エネルギーのすべてが、電気エネルギーに変換されるわけではありません。実際には、熱の一部は、煙や温水などとして外部に放出されてしまいます。火力発電所から立ち上る煙や、発電所が河川に温水を排出しているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。熱効率は、投入した燃料のエネルギーのうち、実際に発電に利用できたエネルギーの割合をパーセントで表します。例えば、熱効率が40%の発電所の場合、燃料が持っているエネルギーのうち、40%が電気に変換され、残りの60%は熱として捨てられていることを意味します。熱効率の値は、発電所の設計や運転方法、使用される燃料の種類などによって変化します。一般的に、熱効率が高い発電所ほど、燃料を無駄なく電気に変換できている、つまり効率が良いと言えます。 地球温暖化対策や省エネルギーの観点からも、熱効率の高い発電所の開発や、既存の発電所の熱効率向上は重要な課題となっています。