発電所を支える渦電流探傷検査
原子力発電所では、人々の安全を守るため、発電所の機器にひび割れなどの傷がないか、様々な方法で検査が行われています。このような検査の中でも、特に重要な検査に渦電流探傷検査があります。
この検査は、検査対象となる機器を壊すことなく、その内部に隠れた傷までも見つけることができる優れた技術です。
渦電流探傷検査では、まず検査対象の金属材料に電気を流します。すると、金属材料の表面には、まるで水が渦を巻くように、電流が渦状に流れます。これを渦電流と呼びます。渦電流は金属材料の中を流れていきますが、もし金属材料の中に傷があると、渦電流の流れ方が変化します。この変化をセンサーで捉えることで、金属材料の内部に傷が存在するかどうか、そしてその傷がどの程度の大きさなのかを調べることができるのです。
渦電流探傷検査は、原子力発電所の配管や機器などの重要な部分の検査に広く用いられており、人々の安全を守る上で欠かせない技術となっています。