環境対策

その他

エネルギー源と環境保全:脱硫の重要性

脱硫とは、その名の通り、物質から硫黄を取り除く技術のことを指します。私たちの生活に欠かせない電気や熱を生み出すエネルギー源、特に石油や石炭といった化石燃料には、硫黄が含まれています。これらの燃料を燃やすと、硫黄酸化物が発生します。硫黄酸化物は、大気中に放出されると雨に溶け込み、強い酸性を持つ酸性雨の原因となります。酸性雨は、森林を枯らしたり、湖沼を酸性化して魚が住めなくなるなど、環境に深刻な被害をもたらすため、大きな問題となっています。また、コンクリート製の建物や橋などを溶かしてしまうこともあります。このような酸性雨の被害を抑制するために、燃料や排煙から硫黄分を取り除く脱硫の技術が開発され、様々な場所で活用されています。例えば、火力発電所では、煙突から排出される排煙から硫黄酸化物を除去する装置が稼働しています。 これらの技術によって、大気中に放出される硫黄酸化物の量は大幅に減少し、酸性雨の被害抑制に貢献しています。
その他

火力発電の立役者:排煙脱硫装置

私たちの生活に欠かせない電気を生み出す火力発電所は、その多くが石炭や重油といった化石燃料を燃焼させることでエネルギーを得ています。しかし、これらの燃料には硫黄という物質が含まれており、これが大気汚染の原因の一つとなっています。 化石燃料が燃える過程で、含まれていた硫黄は空気中の酸素と結びつき、硫黄酸化物と呼ばれる物質に変化します。硫黄酸化物は、大気中に出ると酸性雨の原因となる物質の一つです。酸性雨は、森林や湖沼、土壌などに深刻な影響を与えるだけでなく、建物や彫刻などを溶かしてしまうこともあります。 さらに、硫黄酸化物は私たちの健康にも悪影響を与えます。特に呼吸器系への影響が大きく、ぜん息などの呼吸器疾患を悪化させる可能性があります。また、目や鼻、喉などの粘膜を刺激し、痛みやかゆみを引き起こすこともあります。 火力発電所などから排出される硫黄酸化物を減らすためには、燃料中の硫黄分をあらかじめ取り除く方法や、排ガス中の硫黄酸化物を除去する装置を設置するなどの対策がとられています。
その他

火力発電所の立役者:排煙脱硝装置

私たちの生活に欠かせない電気を供給してくれる火力発電所ですが、同時に、大気を汚染する物質も排出しています。その代表的なものが窒素酸化物です。窒素酸化物は、酸性雨や呼吸器系の病気の原因となることから、大気汚染防止法によって排出量が規制されています。 火力発電所から排出される煙の中には、燃料である石炭や石油、天然ガスなどに由来する窒素酸化物と、ものを燃やすために使われる空気中の窒素が高温で変化することによって発生する窒素酸化物が含まれています。 これらの窒素酸化物を煙から取り除くために設置されているのが排煙脱硝装置です。 排煙脱硝装置は、煙の中にアンモニアを混ぜて化学反応を起こすことで、窒素酸化物を無害な窒素と水に分解します。この装置のおかげで、火力発電所から排出される窒素酸化物の量は大幅に減少し、大気環境の改善に大きく貢献しています。 火力発電所は、今後もエネルギー供給の重要な役割を担っていくと考えられます。同時に、地球環境の保全も重要な課題です。排煙脱硝装置は、エネルギーの安定供給と地球環境の保全を両立させるために、今後も無くてはならない設備と言えるでしょう。