
等価線量: 放射線の影響度合いを測る
私たちは、日常生活の中で常にごくわずかな放射線を浴びています。これは、宇宙から降り注ぐ宇宙線や、大地から出ている放射線など、自然界に存在する放射線によるものです。また、医療現場で使われるレントゲン検査やCT検査なども放射線を利用しています。
この放射線が私たちの体にどのような影響を与えるのかは、放射線の種類やエネルギー、体のどこに、どれだけの量があたったのかによって異なってきます。例えば、同じ量の放射線でも、エネルギーの高い放射線は低い放射線よりも体に与える影響が大きくなります。また、体の部位によって放射線への強さも異なるため、同じ量の放射線を浴びたとしても、影響を受けやすい臓器と影響を受けにくい臓器があります。
そこで、このような放射線の種類や人体組織への影響の違いを考慮して、人体への影響度合いを適切に評価するために作られたのが「等価線量」という概念です。「等価線量」は、単に浴びた放射線の量だけではなく、放射線の種類による影響の違いを数値で表すことによって算出されます。これにより、異なる種類の放射線を浴びた場合でも、人体への総合的な影響度合いを比較することが可能になります。