生物学的指標

放射線について

放射線の指標となる二動原体染色体

- 二動原体染色体とは 生物の設計図である遺伝情報は、細胞の核の中に染色体として折りたたまれて収納されています。細胞分裂の際には、この染色体が正確に複製され、二つの新しい細胞に均等に分配されることが非常に重要です。この分配を担う重要な役割を担うのが動原体です。 通常、一つの染色体には一つの動原体が存在します。しかし、様々な要因によって、一つの染色体上に二つの動原体が形成される異常が起こることがあります。これが「二動原体染色体」です。 二つの動原体は、細胞分裂時にそれぞれ反対方向から引っ張られるため、染色体が正常に分裂できなくなる可能性があります。その結果、一方の細胞には染色体の一部が欠損し、もう一方の細胞には余分な染色体が含まれてしまうことがあります。このような染色体数の異常は、細胞の機能不全や細胞死、さらにはがん化を引き起こす可能性も示唆されています。 二動原体染色体の形成は、放射線や化学物質への曝露、あるいは遺伝子の変異などが原因として考えられます。このような染色体異常は、生物に深刻な影響を与える可能性があるため、その発生メカニズムや影響について、現在も研究が進められています。