生理学

その他

体内の調整役:ホルモン

- ホルモンとは私たちの体には、健康を維持し、生命活動を円滑に行うために、様々な調整機能が備わっています。その調整役の一つを担うのが「ホルモン」と呼ばれる物質です。ホルモンは、体の中にある特定の器官で作られ、血液の流れに乗って別の場所へと移動します。そして、目的地となる器官や組織にたどり着くと、まるで鍵と鍵穴のように特定の細胞に結合し、その細胞の働きを調節する指令を出します。ホルモンの特徴は、ごく微量でも大きな効果を発揮することです。例えば、食事をして血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上がると、すい臓という器官から「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンは、筋肉や肝臓などの細胞に働きかけ、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むように促します。その結果、血糖値は正常な範囲に戻るのです。このように、ホルモンは神経系のように電気信号で情報を伝えるのではなく、血液を介してメッセージ物質を運ぶという特徴があります。体内で作られるホルモンの種類は実に多岐にわたり、それぞれが異なる役割を担うことで、私たちの体の機能を非常に細かく、そして協調的に調節しているのです。