経皮吸収

放射線について

知られざる被曝経路:経皮摂取

- 経皮摂取とは? 私たちは日々、呼吸や食事を通して、空気中や食品に含まれる様々な物質を体内に取り込んで生活しています。しかし、皮膚を通して物質が体内に入ってくるというイメージはあまりないかもしれません。実は、放射性物質の中には、この皮膚を介して体内に侵入するものもあるのです。 経皮摂取とは、まさにこの皮膚を通して放射性物質が体内に取り込まれることを指します。 放射性物質を含む水溶液に手を浸したり、放射性物質が付着した衣服を着用したりすることで、皮膚から物質が吸収されてしまうことがあります。 経皮摂取の量は、物質の種類や皮膚の状態、接触時間などによって大きく異なります。一般的に、皮膚の表面は比較的バリア機能が高く、多くの物質の侵入を防ぐことができます。しかし、傷口など皮膚のバリア機能が低下している部分からは、物質が侵入しやすくなるため注意が必要です。 原子力発電所などでは、放射性物質を取り扱う作業員に対して、防護服や手袋の着用を義務付け、皮膚の露出を最小限にすることで、経皮摂取のリスクを低減しています。また、作業後には、身体や衣服に付着した放射性物質を除去するための除染を徹底しています。