
SPEEDI: 原子力事故時の緊急対応システム
- SPEEDIとはSPEEDI(スピーディ)は、緊急時環境線量情報予測システム(System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information)の略称です。原子力発電所などで万が一、放射性物質が環境中に放出されるような事故が発生した場合、SPEEDIは周辺地域への影響を迅速に予測計算し、避難などの対策に必要な情報を提供することを目的としたシステムです。具体的には、事故発生時の気象条件(風向、風速、大気安定度など)や地形データ、原子力施設からの放射性物質の放出量などの情報をもとに、放射性物質の大気中濃度や地表面への沈着量、空間線量率などを予測します。これらの予測結果は、地図上に重ねて表示されるため、視覚的に状況を把握することができます。SPEEDIは、事故の影響範囲や程度を迅速に把握し、住民の避難計画策定や放射線防護対策の検討などに活用される重要なシステムです。得られた予測情報は、関係機関に迅速に伝達され、適切な判断と対策を支援します。ただし、SPEEDIはあくまで予測システムであり、実際の状況を完全に再現できるわけではありません。そのため、他の情報源と合わせて総合的に判断することが重要です。