
物質のミクロな欠陥:格子欠陥
物質を構成する原子や分子は、決まった規則に従って規則正しく配列しています。特に原子が空間的に規則正しく並んで立体構造を成しているものを結晶と呼びます。この結晶構造こそが、物質の性質を決定づける重要な要素となります。
しかし、現実の世界では、物質は理想的な状態にあるとは限りません。原子は常に熱振動しており、その影響で配列が乱れることがあります。また、本来含まれていないはずの不純物が入り込むことも考えられます。このような様々な要因によって、本来あるべき規則正しい原子の配列が乱れてしまうことがあります。この乱れを格子欠陥と呼びます。
格子欠陥は、物質の様々な性質に影響を与えます。例えば、物質の強度を低下させたり、逆に増加させたりすることがあります。また、電気の流れやすさである電気伝導性にも影響を与えます。このように、格子欠陥は物質の性質を理解する上で非常に重要な要素となります。