宇宙線の緯度効果:なぜ極地で強い?
私たちの暮らす地球は、広大な宇宙空間の中に浮かぶ、小さな星の一つです。そして、その宇宙からは、目には見えない高エネルギーの粒子が常に降り注いでいます。これらの粒子は宇宙線と呼ばれ、はるか遠くの銀河や、私たちにとって最も身近な恒星である太陽などからやってきます。
宇宙線の大部分は、水素の原子核である陽子や、ヘリウムの原子核など、電気を帯びた粒子で構成されています。これらの粒子は、光の速さにも匹敵する猛スピードで宇宙空間を飛び回り、地球の大気にも絶え間なく降り注いでいます。
宇宙線は、地球の大気に突入すると、空気中の窒素や酸素などの原子核と衝突します。すると、その衝突エネルギーによって、様々な種類の新しく軽い粒子が生成されます。これを二次宇宙線と呼びます。二次宇宙線の一部は、地表にまで到達し、私たちの体も通過していきます。