耐食性

原子力の安全

高レベル放射性廃棄物を守るオーバーパック

- オーバーパック地下深くに眠る宝を守る「鎧」原子力発電所から生まれる高レベル放射性廃棄物は、私たちの生活を守るためのエネルギーを生み出した証です。そして、この廃棄物を安全に、そして長期にわたって保管することは、未来への責任です。そのために考えられた方法の一つが「地層処分」です。これは、地下深く、地震や火山の影響を受けにくい安定した岩盤層を選び、そこに廃棄物を埋設するというものです。この地層処分において、重要な役割を担うのが「オーバーパック」です。高レベル放射性廃棄物は、まずガラスと混ぜ合わせて固化され、ステンレス製の容器に封入されます。そして、この容器をさらに包み込むのがオーバーパックです。オーバーパックは、例えるなら地下深くに眠る宝を守る「鎧」のようなものです。オーバーパックの役割は、ガラス固化体を地下水などから長期にわたって保護することです。そのため、非常に高い耐久性が求められます。具体的には、炭素鋼と呼ばれる強度の高い鉄を主成分とした金属が使われており、さらにその表面は腐食を防ぐために特殊なコーティングが施されています。オーバーパックは、数万年以上にわたって、その役割を果たし続けなければなりません。過酷な地下環境において、放射性物質を閉じ込め、私たちの生活環境と未来を守り続ける、重要な役割を担っているのです。