胎児期被ばくのリスク
妊娠期間はおよそ40週間にわたり、大きく分けて3つの時期に分けられます。その中でも、妊娠8週目を迎えてから出産までの約32週間を胎児期と呼びます。この時期に入ると、すでに心臓や肺、胃や腸などの主要な臓器が母親の胎内で形作られています。しかし、これらの臓器はまだ未熟で、これから徐々にその機能を発達させていきます。胎児期は、細胞分裂を繰り返して組織や器官がさらに成長し、胎児の体が大きく、そして重くなっていく時期です。例えば、妊娠初期にはわずか数グラムしかなかった胎児の体重は、胎児期を通して約3000グラムにまで増加します。また、胎児期後半には、胎児は羊水の中で手足を動かしたり、指しゃぶりをしたりするなど、活発に動くようになります。このように、胎児期は母親の胎内で生命が大きく変化し、成長していく大切な期間と言えます。