臨界プラズマ

原子力発電の基礎知識

エネルギーの鍵、Q値とは?

物質を構成する小さな粒の一つに、原子核と呼ばれるものがあります。原子核は、陽子と中性子という、さらに小さな粒子がぎゅっと集まってできています。 この原子核が分裂したり、逆に合体したりする現象を原子核反応と呼びます。原子核反応は、私たちの身の回りにある様々なエネルギー源に利用されています。 原子核反応が起こると、反応の前後で質量にわずかな差が生じます。このわずかな質量の差が、莫大なエネルギーに変換されるのです。これは、かの有名な物理学者アインシュタインが提唱した、E=mc²という式で表されます。 この式は、エネルギーと質量が密接に関係していることを示しています。つまり、ほんのわずかな質量であっても、莫大なエネルギーに変換できることを意味しているのです。原子力発電は、この原子核反応の原理を利用し、質量をエネルギーに変換することで、膨大な電力を生み出しています。
その他

夢のエネルギー:臨界プラズマ

人類は長年、太陽の輝きにも似た無限のエネルギーを夢見てきました。その夢を叶える鍵として期待されているのが核融合エネルギーです。太陽の内部では、水素原子核同士が融合してヘリウムになる核融合反応によって莫大なエネルギーが生まれています。この反応を地上で人工的に再現できれば、理論上は枯渇の心配がないエネルギー源を手に入れることができます。 しかし、核融合エネルギーの実現は容易ではありません。太陽の中心部は1億度を超える超高温・超高圧の状態です。このような環境下ではじめて、水素原子核は互いに反発しあう力を乗り越えて融合することができるのです。地上で核融合反応を起こすためには、太陽の中心部に匹敵する超高温・高密度状態を人工的に作り出す必要があります。これは非常に高度な技術であり、多くの課題が残されています。そのため、核融合エネルギーの実現は長年「夢のエネルギー」と表現されてきました。しかし、現在では技術の進歩により、核融合エネルギーは夢物語ではなく、実現可能な未来のエネルギー源として期待されています。